「集中時間」をカレンダーで確保し、周囲に伝える方法
企画書、設計、見積もり、分析。まとまった思考が必要な仕事ほど、予定表の上では「空き」として扱われ、会議と連絡に削られていきます。対策は一つで、集中時間を他の予定と同じ重さの「予定」として先に入れ、周囲にも見えるようにすることです。
なぜ「空けておく」では守れないのか
「午前中は空けておこう」と思っていても、予定表が空いていれば会議の招集は入りますし、チャットの通知も来ます。空白は「使っていい時間」として扱われるのが組織の自然な挙動です。集中時間を守るには、空白ではなく埋まっている状態にしておく必要があります。
枠の決め方
- 長さは 90 分が基本。60 分では立ち上がりと片付けで実質 40 分、120 分を超えると集中が切れる人が多い。まずは 90 分で試し、自分の実感で前後させる。
- 回数は 1 日 1〜2 回、週に 5 回以上。毎日同じ時間帯に置くと、周囲も「この人の 9〜10 時半は会議不可」と学習します。
- 置く時間帯は、自分の頭が冴える時間。多くの人は午前の早い時間ですが、朝に連絡対応が集中する職種なら 14〜15 時半でも構いません。大事なのは固定することです。
- 前に 10 分のバッファ。会議の直後に集中枠を置くと、最初の 10 分は前の会議を引きずります。「まとめ 10 分 → 集中 90 分」の順に。
スケジュールチェッカーでは、「集中作業」を入力するときに「繰り返し:毎週(同じ曜日)」と回数を指定すれば、たとえば毎週火・木の 9:00〜10:30 を 12 週分まとめて押さえられます(曜日ごとに 1 回ずつ登録)。色は「青=集中」で統一し、月カレンダーで青の面積を眺めれば、集中枠が取れている週とそうでない週が一目で分かります。
周囲への伝え方
枠を入れただけでは、同僚はその枠に会議を入れてきます。伝え方は 3 段階で考えます。
- 予定表の表示で伝える。共有カレンダーを使っているなら、タイトルを「集中作業(会議不可)」にする。会議の招集者は予定表を見て枠を選ぶので、これだけで半分は防げます。
- チームに一度だけ宣言する。「火・木の午前は設計作業に充てるので、緊急でなければ 10 時半以降にお願いします」。定例の場で 1 回言えば十分で、繰り返し言う必要はありません。
- 連絡の受け方を決める。集中枠の間は通知を切り、枠の直後に「連絡・返信」の予定(15〜30 分)を置く。「返事が遅い」という不満は、「いつ返ってくるか分からない」ことから生まれます。「10 時半に返す」と分かっていれば、ほとんどの人は待てます。
例外の扱い
顧客の都合や障害対応など、集中枠を譲らざるを得ない日は必ずあります。そのときのルールも先に決めておきます。
- 譲るのはその日の 1 枠だけ。週の集中枠をすべて会議に明け渡す状況になったら、それは例外ではなく「集中枠の設計が現実に合っていない」合図です。
- 譲った枠は同じ週のどこかに移す。「この予定だけ」を別の日時に編集する。移せない週は、月初の棚卸しで原因を見直す対象にします。
- 「今だけ 5 分いいですか」には、「10 時半にこちらから行きます」と返す。本当に 5 分で済む用件は、10 時半でも済みます。
効果の測り方
月初に先月の月カレンダーを開き、青の枠のうち実際に集中作業ができた回数を数えます。8 割守れていれば十分です。5 割を切るなら、枠の時間帯か伝え方のどちらかを変えます。集中時間は「取ろうとした回数」ではなく「守れた回数」で評価してください。
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